第29回地方出版文化功労賞・島根本大賞2016をW受賞。
いま、日本に「風の人」が必要だ
人口減、超高齢化、「消滅危機」に直面した地域で未来をつくる風の人をローカルジャーナリスト田中輝美 × 法政大学藤代ゼミが徹底取材!
・プロジェクトストーリー
「地元に帰るといっても、公務員か銀行ぐらいしか仕事がない。面白いことなんてない」。
地方出身のゼミ生にとって「地元に帰るか、都会で暮らし続けるか」は大きな問題だ。一方、都会出身の学生にとっては地方は遠い。「仕事が二つしかない?狭すぎるのでは」「地方になんて行きたくないし、興味が無い」。
プロジェクトは都会VS地方という構図で始まり、それは交差しないように見えた。だが、ゼミ生の考えは、「風の人」を取材し、原稿を書いていく中で、変わっていく。
「やりたいことをチャレンジする場があるなら、場所は関係ない。地方か都会か、ではなく、何かにチャレンジしたいと思っている人にも読んでもらいたい。」
取材の舞台は島根。廃校寸前の高校を全国から学生が集まる学校に変えた人、兄の死を乗り越えて帰ってこれる場所にするため奔走する人、ボロボロになって流れ着いた島根で起死回生のアニメ作家への道を切り拓いた人。
そんな「風の人」8人の人生に、元山陰中央新報記者で、ローカルジャーナリストとして活動する田中輝美と法政大学社会学部藤代ゼミ生が迫る。
・風の人とは
地域に新たな視点をもたらす、都会と地方をまたいで活動し、風を運び、風を起こし、去っていく人材。
参考記事:地域創生のカギ握る ネットでつながる「風の人」(日本経済新聞電子版)→http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78109370X01C14A0000000/
・登場人物
岩本悠
島根県教育魅力化特命官
廃校寸前だった離島の海士町にある隠岐島前高校を変えた熱い男。元ソニー。「人はいつか死ぬものだし、死んでもなにか残ることをしたい」
白石吉彦
隠岐島前病院長
離島で先進的な地域医療を実践する。真っ赤なテスラロードスターに乗り、ヨットで海に出て、ワインを傾ける。「もう、東京で働いてるやつばかじゃね?って感じ」
三浦大紀
シマネプロモーション社長
夢は世界平和の好青年。政治家の秘書や国連職員も経験、島根をプロモーションする会社を設立。「穴を埋めるのが僕の仕事」
西藤将人
「劇団ハタチ族」代表
閉鎖されたショッピングセンターのホールで、観客がゼロになったら、即終了するという「365日公演」に挑戦。「島根で演劇のテーマパークを作りたい」。
三成由美
奥出雲町役場職員
女性をより魅力的にする為の活動に取り組む美人すぎる公務員。女性目線での旅情報誌「Okutabi(おくたび)」を発行。「ここは劇場、私は女優」
本宮理恵
横田高校魅力化コーディネーター
帰って来れる島根の実現を目指し、NPOてごねっと石見でビジネスプランコンテストを行い、いまは新たな挑戦に挑む。「どうにかせんといけん。」
FROGMAN
映像クリエイター
『秘密結社鷹の爪団』など数々の作品を手がける売れっ子映像作家。ネットとフラッシュアニメで島根から東京にUターン。「チヤホヤされたい」
尾野寛明
エコカレッジ代表取締役
15万冊の在庫を揃える島根の古本屋だが、実は地域に必要な人を連れてくる人さらい。「風の人」影のプロデューサー。「逃げることを恐れるな」
田中輝美
ローカルジャーナリスト
元山陰中央新報記者。琉球新報社との合同企画「環りの海」で新聞協会賞。2014年独立。地域に根ざし、地域の取り組みを発信している。